徒然日記 〜通訳案内士、ふたたび〜

コロナ禍休業を経て、通訳案内士業に復帰。7年暮らしたソウルが第2の故郷(22年3月帰国)。中学生の母。ミニマリストに憧れている。

2018年10月

昨日ツアーのメインが終わり、本日はポスト組と広島へ。あと2泊で終わり!!!なんだけれども、1週間後には別のツアーが控えている。そちらのツアーは開始前にお客さんにコンタクトしなくてはいけないので、今日も午後の観光を終えて夕方ホテルに戻ってから、お客さんに送るメールをぽちぽち用意したり。。涙 それにしても、さくさく終わらせたいのに、ホテルのwifiが遅すぎて仕事にならない!

広島といえばもちろん原爆で、今日は平和記念公園と資料館に。お客さんが館内を見学している間、地下にある資料室で英語文献をぱらぱらめくっていた。

今年ツアーを受けているのは2社ともアメリカの旅行会社なので、わたしのお客さんは100%アメリカから。で、お客さんから「アメリカはどうして日本に原爆を落としたの?なぜ広島を選んだの?」と聞かれると、悪気がないのはわかってても、微妙〜な気持ちになる。原爆を落とした国のあなたが、被爆国の国民であるわたしにそれ聞く???ってどうしてもちらりと思ってしまう。

ちなみに、原爆まわりで聞かれる質問もしくは(アメリカ人の彼ら)が関心があることはこんな感じ。

・なぜアメリカは原爆を落としたのか?
・なぜ広島だったのか?
・日本人(特に高齢者)はアメリカによる原爆投下をどう考えているのか?
・日本人(特に高齢者)の間にアメリカに対する悪感情は今も根強いのか?
・日本では戦争についてどう教えているのか?
・広島には放射能汚染の問題はないのか?

もとから関心のあるトピックだったし、この仕事を始めてからは特に考えてきたことなので、わたしなりの個人的な意見はもちろんある。でも、どう答えるかは、そのときのお客さん次第。

「アメリカは戦争を早く終わらせ、犠牲者を最小限に抑えるために原爆を投下した。もちろん被害は甚大だったが、それでも戦争を続行していた場合日米双方の被害者数はもっと多かったはずだ。なので、『正しい』判断だった」

こういう意見を持ってたり、(その考え方を個人的に支持するかどうかは別として)アメリカではこういう教育を受けたというお客さんは一定数いる。民間人を無差別にあれだけ殺しておいて『正しい』と言い切る感性はわたしにはないけれども、そういう残虐さはアメリカ特有なわけではもちろんないし(日本だって相当なものだし、戦時下ではどの国だってどんなひとだってそんなものだと思う)、特に戦争に関する歴史教育はそれぞれの国でかな〜り異なるというのは当たり前だし(日本のそれだって相当偏ってる)、そういうお客さんに対して個人的な感情が動くわけではないのだけど。

それにしても、こういうところがこの仕事の面白さだとつくづく思う。学部時代の専攻が異文化コミュニケーション論だったのだけど、まさにそれを地に這いつくばって実践している感じ。

今回ポストトリップに参加したのはたったの4人なのだけど、そのうち1人はかなり博識で、訪れる場所の知識もあらかじめて自分でがっつり仕入れてくるタイプ。これまでも他のお客さんが食いつくトピックでも、ひとり関心なさそうにしていることが多くて。きっと、彼が事前に仕込んだ知識や情報を超えるものをわたしが提供できていなかったんだろうなあ、と。

ガイディング、特に歴史は得意分野でもあり一番力をいれているところでもあるので、これはかな〜り悔しい自体。広島(というか原爆まわり)のガイディングもわりと自信あったのだけど、まだまだだなと気が引き締まる思い。資料室でぱらぱら目を通した本もすごく興味深かったし、またあらためて学び直したい。

ということで、そろそろ夕食を食べに行ってきます〜。
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いよいよ、ツアー前日。朝からバタバタと準備しています。

午前中は家事をすませ、翻訳の続きをして(まだやってる。。)、スーツケース大のパッキングをすませ(最短記録の1.5時間!)、お昼を食べてからひさ〜しぶりのスポーツクラブへ。

戻ってきてから息子の帰宅を待って、スーツケース大を都内ホテルに送りに近所のセブンへ。ようやくほっとして一休みしてから、翻訳をしたり、ツアー資料の確認をしたりしているうちにあっという間に夕方。夕食の準備と部屋の片付けがひと段落して、ひと休憩中(いまここ)。

毎回毎回ツアー前日はこんな感じで、ばったばた。いつも次回は前々日にもっと進めておこうと思うのに、結局同じ。。今夜と明日朝最後の悪あがきでもうひと準備して、明日はお客さんをお出迎えに成田空港に向かいます。

<パッキング(衣服)メモ>

ツアー中の気温が10〜26度と幅広すぎてむずかしい。。
トップス
・Tシャツ(オレンジ)
・薄手カットソー(薄ピンク)
・白ロングチュニック
・白7分丈トレーナー
・薄手ニット(紺、小豆色)

ボトムス
・黒スキニー
・紺パンツ(プリーツ)
・黒ロングスカート
・黒スパッツ

その他
・黒ワンピース

はおりもの
・薄手トレンチ
・薄手ジャケット
・ストール2本(花柄のと、オレンジ黄緑薄黄色の)
・小さなスカーフ

防寒具
・ウルトラスリムダウン
・ヒートテック
・タイツ


・スニーカー白とグレー1足ずつ
・部屋用のビーサン
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連休もあっという間におわり、次のツアーまであと2日。

前のツアーから3週間弱お休みがあったのだけど、息子の水疱瘡・プチぎっくり腰・溶連菌(いまもまだ扁桃腺が少し腫れている。。)でほぼまるつぶれた感あり。前半も仕事つめすぎで体調不良がいまいちだったし、夏は母の入院があったし、なんだか今年は健康に悩まされている年だなあ、という印象。そこまで深刻ではないのがまだ幸いではあるのだけど。

最長19日間ある超ロングツアーが来年から旅程追加で20日間になると聞き、3年間続けたそのツアーを今年で卒業することにしたのだけど、さんざん迷ったわりにはやめると決断してから見事に1度も後悔していない!むしろ、来年引き受けなくて本当によかった〜と自分の決断への確信ばかりが強まっていく笑。来年は8〜11日間のツアーがメインになるので、もうちょっと心身ともに余裕がある生活が送れるはず!と期待しています。今年の体調不良つづきはどうも前半の仕事ぶりが後を引いているように思うし。。

前半仕事詰めすぎた〜といっても、周りの同業者から比べると稼働日数100日前後はすごく余裕があるほうではある(ロングツアーメインでバリバリ働いている仲間が多いので)。なのだけど、ひとそれぞれキャパも優先順位も異なるわけで、この仕事を長く続けたいからこそ、自分と家族にとっての最適バランスを常に見極めていけたらいいなあと。

そんなこんなのツアー2日前。家のことをして、ツアー行程を再度見直してエージェントさんや同期に質問をし、病院に行き(まだ扁桃腺に違和感があるように感じたのけど、先生から順調な回復に太鼓判押してもらい、一安心。。)、郵便局やらスーパーやら外での用事を済ませ家に戻り、翻訳の最終チェックを進めているうちに、あ〜〜〜っという間に夕方。明日スーツケース大を都内ホテルに送らねばならないというのに、パッキングはやはり手付かずのまま前日に持ち越されてしまいそう。。涙

こんな感じで、ツアー前はいつもばたばたと過ごしています。 
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溶連菌感染発覚後、2日目。朝起床時は喉の痛みしかなく快調!と思いきや吐き気が押し寄せてきていったんダウン。なんとか朝食を押し込んで抗生剤を飲んで休んでいるとやや回復。。溶連菌、なかなかしぶとい。でも昨日の朝に比べたらかな〜り回復しました。

さて、前回のツアー後から2冊の本を読みました。寺尾紗穂『南洋と私』と朴沙羅『家(チベ)の歴史を書く』。どちらも著者がひとに聞いた話をまとめた著作で、時系列の中心は第二次世界大戦前後。著者が話を聞いた対象は、『南洋と私』は日本占領下の南洋諸島を生きたひとびと、『家(チベ)の歴史を書く』は在日一世(著者の朴さんは在日一世の父と日本人の母を両親に持ち、父方の親族に話を聞いている)。

歴史はすごく好きで、なかでも心惹かれるのは、大きな流れだけをざっくり追う方法と、個人の体験から見る方法の、ふたつのアプローチ。自分のツアーで日本史を説明するときは主に前者を使うのだけど、ところどころ後者を入れ込むとより深いインパクトを聞き手に与えることができる(多分にわたしの語り口調により熱が入る効果でもあるかも)。

(ちなみに大学受験では世界史を選択していたんだけど、世界史が必須だった入試はことごとくコケました。年代を覚えるのと各国の横のつながりを把握するのが非常に苦手だった。いま自分が日本史を見る方法で世界史を学んだら面白いだろうな〜とは思うのだけど)

で、この2冊は思いっきり後者のアプローチ。なんだけど、『南洋と私』はぐぐっと心掴まれてぐいぐい読んでしまったのに対して、『家(チベ)の歴史を書く』は途中でギブアップしてしまった。第二次世界大戦自体はものすごく大事にしているテーマだし、在日は専門分野でもありいつもはより熱が入るテーマではあるのだけど。

著者のバッググラウンドでいうと、寺尾紗穂さんは中国文学→比較文学比較文化。『南洋と私』以外にも『原発労働者』のようなコアなテーマのノンフィクションを書くフリーライターでありながら、シンガーソングライターでもある。

一方、朴沙羅さんは歴史社会学が専門の学者さんで、大学で国際文化学を教えてらっしゃるそう。

どちらの著者でも話し手の話をそのまま口語体で引用していたり、そこに歴史的経緯の解説を加えているのは同じなんだけど、ふたりの反応の仕方が異なる。

寺尾紗穂さんは本当にごくごく素朴な感想に近いコメントが多く、でもそこに彼女がこのテーマについて考え続けてきた思考の展開が感じられる。

一方、朴沙羅さんはまず話し手から聞いた話をどうまとめるかに対しての逡巡が著書の冒頭にあり、アカデミアに属していないわたしにとってはストレートにいうとあまり興味を感じられなかった。また、話し手がどういうつもりでそういう発言をしたのか/しなかったのかについての考察も特に深かったり示唆に富んでいるわけでもなく、正直なところ必要とは思えなかった。

と考えると、どちらもテーマも切り口もものすごく興味深いのにもかかわらず、わたしという読者にとっては受けとめ方がまったく異なってしまい、テーマ、切り口と同じぐらい、それをどう本としてまとめるかという部分が大きいのかなあというのが、ちょっとした発見だった。
(その重要性を頭ではなんとなく理解していたようでいて、今回ちゃんと体感としてわかったというか)

で、そういう意味でいうと、話し手の話をまとめた本での(あくまでわたしにとっての)最高傑作はやはり村上春樹『アンダーグラウンド』!『アンダーグラウンド』では話し手の口調をそのまま引用ではなく、ひとつの文章の形に構成しなおしてあり、かつ春樹自身の感想やコメント、考察はほとんど含まれていない。それでいて、あれはやはり春樹にしか書けない文章であると思うし、ものすごい偉業ではないかと。春樹はもうこういうタイプの本を作る気はないのかもしれないけれども、それこそこの2冊にとりあげられていたテーマで同じ手法で本を作ってみてほしいなあという気持ちがむくむく。。

と、最後はハルキストむきだしな結論となり、すみません。。
 
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月曜日、夜の約束の前は念願の『カメラを止めるな』を観に、渋谷へ。周りで観た人が多くみな揃って絶賛していたので、ぜひ観たいと思っていた映画。シネクイントで観たのだけど、朝ネットでチケット予約したときはがらがらだったのに、月曜午後という時間帯にもかかわらず上映前はほぼ満席でした。

ネタバレすると楽しめない映画だと思うので詳しくは書かないけれど、面白かった!!!です。前半のゾンビ映画は超B級レベルらしいのだけど、こわい映画がものすごく苦手で耐性がなさすぎるわたしには十分こわかった。。「こなければよかった」と後悔しつつ、両手で顔を覆いながらびくびく観てました笑。が、映画好きの友人いわく、(あの程度でこわがるなんで)「斬新な感想。。」とのことなので、普通のひとには全然こわくないはず。後半はもう映画館中でどっかんどっかん笑いが巻き起こり、それでいてあたたかい気持ちでじんわりきたりもして、もうすっごく楽しい映画体験でした。ツアーが迫りつつあるけれど、できたらもう1度観に行きたい〜。

その後約束まで時間があったので、オープンしたての渋谷ストリームへ。ガイド仲間が何人か下見に行ってFBに写真をアップしていたので気になっており、ツアーの渋谷ナイトウォークにつかえるかなという目論見もあり。オフィス、ホテル、レストラン、ショップ、劇場が一体となった複合施設らしいのだけど、時間も限られていたのでさ〜っと1〜2階をさらっと見た程度。でもスペースが広々していて飲食店のセレクトもよさそう、早い時間だったからかガラガラだったので、渋谷で落ち着いて食事したいときはすごくよさそう。

仕事以外で渋谷を歩くのはひさしぶりで、でも夏の終わりの夕方という大好きな季節・時間帯だったこともあって、渋谷もなかなか楽しいな〜とわくわくしました(その浮かれ気分のまま飲み始めて撃沈したわけだけれども。。)。 渋谷ストリーム、今度あらためて食事しに行ってみたいな〜と思いました:):)

<おまけ:ガイド視点から楽しむ『カメラを止めるな』>



 
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